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2006年8月24日 (木)

ファイン・ラインを求めて

Sil2"Fine line"とは、「細い線」のことだ。私の作るケーブルは、とにかく細い。信号系に限って言えば、金属線の直径は0.Xφ、一次被覆を纏った基本線も2φ程度。構造はいろいろだが、多くのケーブルは仕上り径でも5-6φに満たないことがほとんどだ。

太けりゃいいのか、こんな疑問を持ち続けてきた。百花繚乱のケーブル製品群を見る限り、主流は逞しく硬い外観のようだ。購買層にアピールしやすいこと、構造の保持などが考えられる。しかし、中には取り回しが激しく困難で、機器の配置をも支配するケーブルがある。もちろん、メーカー独自の理論と哲学で非常に説得力ある音を聴かせてくれるものもある。

誤解を恐れずに言えば、被覆を「お化粧」と捉えた場合、ケーブルは「すっぴん」に限る。音ヌケが良く、生気がある。優れた諸特性を持つ金属線に良質の被覆を最小限に重ねることで、芯線は持てる力を最大限に発揮する。ただ、「素肌美人」を通すには、モトが悪いとお話にならない。材料の選定が重要だ。

一方、太いケーブルは「厚化粧の美」である。芯線の素性を補う形で、SN感やレンジ感は被覆でかなり調整できるものだ。しかし、優れたノウハウなしには単に芯線の本来の良さを殺すことにもなりかねない。慣れない者が製作する場合、暗中模索で被覆を重ねていくのは実験には面白いが徒労に終わる場合も多い。

芯線の実力だけで勝負とは、何と潔いではないか。

ところで、"fine line"は"walk a fine line"という慣用句としてもよく使われる言葉だ。細い線を慎重に辿って歩くことから「難しい状況の中で絶妙な舵取りをする」という感じの表現になる。このブログを「ファイン・ライン」と名づけたのも似たような理由からだ。自分の製作スタイルに拘りを持つ一方、他の製作者のご意見も興味深い。

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