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2006年9月 4日 (月)

ケーブルもBTOの時代へ?

Btoc_1勘の良い方なら、これまでの流れから私のケーブル製作のポイントを読み取っておられるだろう。つまり、(1)和紙・絹という天然素材被覆が芯線金属の素の音を引き出す、(2)異なる金属を利用してケーブルの音質をコントロールする、という点である。投稿記事では紙や糸を使うクラフト職人的な部分が目を引くが、主眼はむしろ後者にある。被覆はあくまでも地金のアシストだ。

いつかケーブルにもBuilt To Orderの時代が来るのではないかと思う。好みの音質傾向に合った地金を複数選択し、ケーブルの形として仕上げるわけだ。極めてシンプルな手法ではないか。

既出だが、ホットにPt、コールドにAlを使うことで、Ptの上下に伸びたレンジを生かしつつ、Alの柔らかさを加味することができる。高解像度を求めたいが中域の温もりを失いたくない方にはお勧めの組み合わせだ。一方、最右翼なハイスピードサウンドを求めるならPtやIrで構成すると面白いだろう。また、トロトロの甘美さを求める向きにはAu、Al、Inが有力候補となるだろう。

上記は既存の伝送理論のパラダイムから見れば、さもふざけた話だと思う。私とて、既存の科学に挑戦しようなどという気はさらさらないし、その能力もない。ただ思うのだが、理論派はケーブルグルメをオカルトと見るのではなく、音質を決定するあらゆるパラメータを真剣に探求すべきではないだろうか。

そういう時代が来るまでは、実践を頼りにしたい。実際に聴いてみればケーブルで音は違うし、芯線の金属でも違う。私はこのことを利用して、自分の好きなようにオーディオシステムの音を調整しているだけだ。

有名な高級ケーブルにPurist Audio Design (PAD)があるが、このメーカーは独自の「治金術」を謳ってケーブル界に大きな地位を築いた。最近のモデルは不勉強だが、液体シールドを使っていた頃のドミナスやプロテウスの柔らかく広がる音場感は、実はAlやInで再現できる。前述の友人、clef氏との実験とアイデア交換を通じて得た結論だ。

もっとも、一部のPADケーブルの中身については、Belden製CAT5では、とのスキャンダラスな噂もあり、自身が謳った「治金術」どころの話ではないかもしれない。詳細をメーカーに確認したことはない。いずれにせよ、異種金属アプローチでPADトーンに酷似したサウンドが出せることは事実だ。

ハイエンド・ケーブルと呼ばれるメーカーは、とかく能書やブランドイメージで購入前から客に音を「想像」させる傾向がある。中身の如何にかかわらず、ユーザーは清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入した一本を信ずる。それも趣味のあり方としては悪くない。だが、私はケーブルの中身は明瞭でいきたい。

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