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2006年9月16日 (土)

微変は激変

Crack私たちは何故にオーディオ機器やアクセサリーを交換するのか。マイ・サウンドの追求と言ってしまえばそうなのだが、長くやっていると機器の交換はいくつかのタイプに類型化できるように思う。

多くの方の定石は、新しいコンポーネントを導入したら半年から数年間かけてじっくりとその素性を引き出して自分のサウンドに融合させていくという攻略法だろう。音やデザイン、あるいはブランドのオーラに魅せられて購入した機器だから、腰を据えて対峙するのは懸命な選択だ。

一方、「即日退場」に近いことを繰り返す愛好家も実は多い。十分に試聴してから導入したほうが無駄がないだろうにと思う一方で、こういう方々にはある意味拍手を送りたい。自身の音の好みが明確で、そこから僅かでも外れたサウンドには妥協できないからだ。いっそのこと大満足が得られるまでとっかえて欲しいと思う。

しかし、普通の人はなかなかこうは交換できないだろう。金も続かないし、音を聞き分ける判断力と精神力も失ってしまうものだ。かくしてケーブル、インシュレーター、あるいは怪しいvoodoo(密教)アクセサリーに手を出して調整する方が多いのだろう。

大物コンポーネントについては、投資額の大きさによる「信頼感」や「信仰」といった要素が耳に影響する場合があると思う。これだけ投じたのだから、変な音になったらそれは他にボトルネックがあるのだ、私のシステムが悪うございました、とその機器にひれ伏すことになる。

しかし、アクセサリーに対しては愛好家は意外に厳しいものだ。概して安価に大きな変化が得られれば、好みは別としてもその「効果」を確認できたとして一定の評価を与えるように思う。逆に、高くて効果が感じられない場合は、自分のシステムとの相性など気にせずに「駄作」のレッテルを貼る方が多いのではないか。

ただ、効果や好みの如何にかかわらず、自分以外の人にしてみれば全てが微変にすぎないかもしれない。

だが、亀の歩みであっても進み続けたい。まっすぐにはいかないことも多いが、いろいろ寄り道するのも楽しいものだ。

「神は細部に宿る(God is in the details)」とは、世界3大巨匠の一人に数えられる建築家ルートヴィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe)のお気に入りの言葉だった。

以前、オーディオの友人でデザイナーをされている方が教えてくれた。マイ・サウンドの追求も、細部に妥協することなくこの精神でいきたいものだ。

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コメント

アクセサリの効果は、即効性と遅効性があると思います。
また、設置した時に効果を実感できたのに、時間が経過することによって効果が無くなるものや、いつのまにか逆効果となるものも有ります。時は問題を解決してくれることもあれば、問題を連れてくることもあり・・この辺は実に難しいものです。

投稿: clef | 2006年9月16日 (土) 10時38分

機器の入れ替えはある意味オーディオの醍醐味ですね。
ご存知の通り、僕は最近まで国産品が多かったのですが、
気がついたら機器が全て舶来品になってました。
もちろん、ブランドに惹かれた部分も大きいのですが、
自分の欲する方向を模索してきた結果です。

このような変遷の中でアクセサリー(特にケーブル)に
対する価値観も随分変わりました。システムのグレードが
あがるとケーブルは個性を主張するハイエンドメーカー品
は必要とせず、機器本来の音をありのまま出せるものが良い
と思えるようになりました。

セッティングが追い込まれてくると何をやっても音は変わり
ますが、最後のツメで桃源郷が近づいたり遠のいたりします。
しかし、この「あがり」間近の状態が一番機器の実力を把握
しやすい時期でもあります。
幸か不幸か、そういう時期に愛機に見切りをつけてしまった
ことが多いです。

結果として投資をしてしまうわけですが、アクセサリーに信頼
がもてると機器の音を見極める上で迷いがなくなります。
逆を言えば、機器の実力が低いと素晴らしいアクセサリーも
真価を発揮できないとも言えます。

すいません。随分語ってしまいました(汗

投稿: しゅうへい | 2006年9月16日 (土) 10時57分

clefさん
アクセサリーには相当の「うるさ方」であるclefさんの
おっしゃること、難しいけどわかります。
もっとも、遅効性だと何が何に効いてきたのか
よくわからなくなりそうですね^^;
そうしているうちに他の因子も変わっちゃって
仕切りなおし、みたいな。。。
オーディオは堂々巡りの部分が多いのかもしれません。
でも、螺旋を描きつつも少しずつ上昇できればと
思っています。

投稿: NAIT | 2006年9月16日 (土) 12時23分

しゅうへいさん、毎度です。
機器の素の音を引き出してくれるケーブルが理想かもしれませんが、何が素の音かを見極めるのはとても難しいでしょうね。
何かしらの個性を持つケーブルで配線してみないと音は聴こえないわけですから^^;
そのあたりはしゅうへいさんの長年の経験と勘で乗り切っていただきたいものです^^
そんな素の音を引き出すケーブルが自作できればなぁ、と思っています。

投稿: NAIT | 2006年9月16日 (土) 12時33分

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