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2006年9月15日 (金)

オーディオ雑誌の意味

Ssどんな分野の趣味にも、必ずお手本的な役割を担う雑誌がいくつかはあるものだ。オーディオも70-80年代の勢いは既に失ったが、依然としてステレオサウンド誌はじめ数誌が存続している。しかし、紙から音は聞こえない。我々オーディオ愛好家は、そのような雑誌から何を読み取っているのか。ふと考えることがある。

今週発売されたばかりのSS誌を手に取ってみた。以前にも増してほぼ全てが商品カタログと言ってよい。それも新製品のみならず、往年の旧製品もご丁寧に並べてある。期待していた製品のレビューも今ひとつ物足りない。また無駄な一冊を買ってしまった。

いわゆるハイエンド・オーディオ雑誌は、方向感を失って久しい。それは裏を返せば、ユーザー側が求めるものもかつてのような老舗ブランドの「良い装置」が欲しいといった一方向のベクトルから、個性的なサウンド・スタイルを追求するようになったということだろう。

最近の装置はどれも「良い装置」だと思う。数十万も出せば音楽をかけるには十分なセットが手に入る。そこから先の「味」を求める我々は、一般社会から見れば「狂人」だろう。

ただ、雑誌側にも同情する。狂人を相手に自らのレゾン・デートルを考えることはきっとアタマの痛い問題だろうと想像する。多様化した個々のサウンドニーズに応えるのは大変だし、かと言って編集方針を一本化するのは商売上のリスクを伴う。結局、当たり障りのない「高級イメージ」を提示するだけの内容を延々と繰り返している。

一方、自作系オーディオ雑誌もずいぶん様変わりしてしまった。裕福なユーザーも増えたし、そこそこ良い装置が安価に手に入るので誰も自作しなくなった。逆に失敗を重ねて下手なアンプを組むことは金と時間の無駄にしか映らなくなってしまった。かくしてMJなども何がやりたいのか見えなくなっている。

趣味のお手本という意味では、むしろエンドユーザーである個人を訪問するほうが最近は遥かに勉強になる。皆さん豊かだし、いろんな知識や技術を結集して取り組んでおられる。今のオーディオ雑誌界に商品宣伝以上のことを提示してくれるスタープレイヤーはいないのか、と問いたくなるのは私だけではないはずだ。

私自身は長岡派でも金田信者でも何でもないが、機器に手を加えたり小物を自作するのは大好きだ。趣味は買い物やコレクションに終わっては面白くないと思う。自分のアイデアや工夫を加えてこそ個性が出るというものだ。面倒なケーブル自作を続けているのも、どこかに自分らしさを出したい気持ちがあるからなのだろう。

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コメント

NAITさん 全く同感です。
これからも独創的なアイデアで我々を楽しませてくださいね!

投稿: しゅうへい | 2006年9月15日 (金) 04時41分

しゅうへいさん、コメントありがとうございます。

今回のSSには特に幻滅したのが正直なところです。
どこまでめくってもお買い物カタログです(笑
次回は好例のベストバイ号なので、また同じかと
考えると鬱ですよね。

数年前まではオーディオアクセサリー誌が比較的に
面白いと思っていましたが、最近どうなんでしょうかね?

投稿: NAIT | 2006年9月15日 (金) 15時21分

NAITさん、こんばんは。

僕はシステム6、7が出ているステレオサウンドは全て買っていたのですが、
今回初めて購入しませんでした。

まず何より表紙がダメ。
スピーカーのデザインうんぬんではなく、
誰でも撮れるようなつまらないアングルでのショット。
表紙の美しさまで含めて「ステレオサウンド」だと思っていた僕には
とても手が出るような表紙ではありませんでした(--;)

しかも内容は . . . NAITさんがおっしゃったとおりですね。
目を引く記事は何も無いまま読み終わってしまいました。
来季号は買いたいと思えるつくりにしてもらいたいです。

投稿: UENO | 2006年9月15日 (金) 23時02分

UENOさん、こんばんは。
ちょっとカッコつけた言い方かもしれませんが、
昔のSSは夢を売ってきたと思うんですね。
皆が簡単に良い装置を手に入れられる時代じゃ
なかったから、JBLやMLでも並べておけばと。
でも、今はみんな結構ハイエンドですよね(^^;;
そうなったら、夢は既に現実なわけですから、
イメージとかではなく、何か実のあるものを
提示しないと読者はついてこないと思います。

投稿: NAIT | 2006年9月16日 (土) 00時06分

確かに僕も昔は手に取るのもはばかられるほどの
雲の上の存在的な雑誌でしたね。

実世界でも大学時代は秋葉原でレビンソンの33Lを見て、
「こんなん買うやつは頭がおかしいに違いない」と思っていましたが、
数年後には(もちろんローンですが)似たようなものを買っていました。
手に入りだすと自然にステレオサウンドも買うようになりましたが、
どうも最近のステレオサウンドには以前の気迫が感じられません。

今後に期待したいと思います(^^;)

投稿: UENO | 2006年9月16日 (土) 00時41分

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