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2006年9月 3日 (日)

アニール

Flame_1夜毎、皮手袋を着用し、芯線を炎にかざす。次第に赤く染まる芯線を手際よく移動させていく。

アニール(焼きなまし)は、芯線処理の第一段階だが、必須かどうかは意見が分かれているようだ。実際、あぶりすぎると1φ以下のAg線はプツンと焼ききれてしまうこともある。Auは溶けて球になる。Alはボロボロに砕ける。また、ほとんど使わないがCuはモロに酸化銅になるので火あぶりはご法度だ。

以前、知り合いのオーディオ愛好家の方で、筑波大の研究施設の真空炉を使って極太銀をアニールした方がおられたが、とても羨ましい環境だ。

アニールはまるでメリット皆無のように聞こえるが、Agについては、地金が随分と柔らかくなる。3φ超のAgで作られた電源やSPケーブルを扱う場合、感覚としては「金属棒」をグイグイ曲げてシステムに合った形に配線するようなものだ。少しでも柔らかいほうがありがたい。

また、測定したわけではないが、軟化することで素材固有の共振周波数が下がり、耳につくような鳴きも低減するのではと考えられる。ただ、最終的な鳴きの有無というのは、和紙・絹被覆によるダンプや両端の端子の出来とも密接に絡んでくるので、地金のアニールの有無だけでは測りかねるだろう。

Agについては、もうひとつメリットがある。硫化したAgは黒く変色しているが、再度アニールすることで魔法のように原状復帰するのだ。赤い炎から出てきたAgは元の白い素肌を取り戻している。手間を惜しまなければ、何年も使った絹巻きAgケーブルは、オーバーホールすることで新品に戻るのだ。

一方、Ptは必ずアニールすべきと考えている。そのままだと0.Xφ未満の芯線は曲げを繰り返すうちに折れてしまう。アニールすることで、俄然柔軟になり、引抜に対しても強くなる。

ちなみに、アニール時にはアルコールランプを使用すべきと思う。一度キッチンのガスコンロでAgをあぶったことがあるが、炎自体に硫黄ガス成分その他が含まれているのだろうか、芯線があぶった尻から茶色っぽく変色した。東京ガスは避けるべきだ。不純物のないアルコールの炎が望ましい。

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