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2006年9月26日 (火)

床に始まり、床に終わる

Yukaオーディオ機器を設置する際、言うまでもなく床がすべての土台になる。重量級の機器を下支えするだけでなく、ダンピングの効いた低域や揺らぎのない定位を得るためには、床は避けて通れない要素だろう。

恵まれたオーディオ愛好家の場合、専用ルームの床の施工と言えば、地面から立ち上げたコンクリートに無垢材を直に敷くのはお約束だろう。オーディオボードなど介せず、そこにスピーカーのスパイクを直に立てて楽しむわけだ。

しかし、私を含めた都市部の多くのマニアはマンション住まいが多いのではないか。目指す地点が同じとすれば、明らかにハンディを背負っていると言えるかもしれない。しかし、工夫次第でかなり満足のできる再生も可能ではないかと考えている。

参考になるかどうか分からないが、拙宅の例をご紹介しておこう。分譲マンションには多いと思うが、当方の建物では階下への振動や音を軽減するためにコンクリートスラブから金属柱のようなスペーサーで浮かして、その上に厚い合板を敷き詰めてある。そして遮音・防振シートを挟んで床材を敷くという工法のようだ。ちなみに、床材自体はソフトな素材ではなく、割と硬い。

通常の生活には全く差し支えのない床ではあるが、オーディオとなると話は別だ。このような条件では、スピーカーからのエネルギーをストレートに床に伝えてしまうと、かえって床が鳴ってしまう。余計な共鳴で低域がブレると、全体的な定位感も阻害される。剛性セッティングは裏目に出ることになる。あくまでも恵まれた床の持ち主に許された贅沢と考えよう。

では、逆にフローティング的な発想で柔軟なインシュレーターで浮かせばよいのかと言えば、それも音に難ありという印象だ。例えばティールのようなハカマが一体型のスピーカーをゴム系のインシュレーターで設置すると何とも生彩のない音になってしまう。

落としどころは、両者の間のどこかにあるようだ。

カット&トライで行き着いた設置法は、床板→オーディオテクニカ製ハネナイト・ゴムインシュレーター4個→300mmX450mmx50mmの大理石ボード(クレマー・マーフィル)→アコースティックリバイブ製真鍮スパイク受け→J1ハイブリッドコーン→CS2.3底面、という構成だ。

自分の見解では、質量のある大理石を「仮想的な地面」と見立て、それより上はハイスピードを殺さないように剛性セッティングとしているが、代理石と床は振動を吸収する粘性素材を介することで振動伝播を遮断している。ハネナイトよりさらに粘度の高いポリマー系インシュレーターで試しても面白そうだ。

この時、ボードの質量は大きいほど良い。理論には明るくないので直感的な話で例えるが、知恩院の釣鐘は巨大であるため、突いてもほとんど揺れない。また我々の住んでいる街は巨大な地殻プレート上にあるが、そのプレート自体は流れているのだ。

実際、低音による床鳴りが発生するまでの音圧マージンが随分と拡大したことから、かなりの効果が上がったと感じている。同様の床構造でお困りの方は、一度実験していただきたいと思う。

ところで、頑丈な床と思っていても、案外オーディオボードを介在させたほうが再生音として好ましい結果が出ることも多いようだ。特にコンクリート直の場合はそうかもしれない。好みもあるだろうが、荒削りな再生音を整えて潤いや繊細さを与えたい場合には、対策ボードは有用なツールだろう。頑丈な床であっても過信せずに、虚心坦懐に再生音と向かいたいものだ。

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